800万円以下の不動産売買の宅建業者報酬上限が最高33万円に(7月1日から実施予定)

―国交省、空き家対策で告示の6年ぶり改正を目指す―

国土交通省は5月2日に宅建業者が得る報酬の上限に関する告示の改正案を意見公募(パブリックコメント)で公表しました。告示改正は6月にまとめる「不動産業による空き家対策推進プログラム(仮称)」の一環で、意見公募の後、改正告示はプログラム策定と合わせて公布され、7月1日に施行の予定です。

宅建業者が受領できる報酬(仲介手数料)の上限は、宅地建物取引業法に基づく大臣告示が定めています。売買の場合、売主・買主の一方から受け取れる報酬額は、物件価格に応じて一定の料率を乗じて得た額の合計金額以下と規定されています。社会課題となっている地方部の空き家は価格が低くて宅建業者が得られる報酬が少額になるため、空き家をビジネスで扱ううえでの大きな課題となっていました。

国交省案では

国交省案では、7月1日から、売買を対象とする「低廉な空家等の媒介特例」(18年1月1日施行)を拡充することとしています。
現行では、物件価格400万円以下の宅地建物を対象に、売主からのみ最大18万円×1.1(19.8万円。うち1.8万円は消費税相当額。)まで報酬を受領できます。これを同日から800万円以下の物件まで対象を広げます。また、報酬の上限も最大「30万円×1.1(33万円)」に引き上げます。更に、買主からも最大33万円の報酬を受け取れるようにします。宅建業者による空き家ビジネスへの積極参加を促すのがねらいです。
800万円以上の物件の売買についての報酬額上限は従来通りで、変更はありません。

賃貸借についても

賃貸借を対象にした新たな「長期の空家等の媒介特例」も創設します。
賃貸借取引の場合、原則の報酬上限は「借主と貸主の合計で1カ月分の借賃×1.1の金額以内」(*)となっていますが、
・長期間使用されていない、または
・将来使用の見込みがない空き家、
については「貸主から原則による上限を超えて報酬を受領できる」とし、特例を適用した場合の報酬は「合計して1カ月分の借賃×2.2」までとします。報酬額全体は1カ月分の借賃の2.2倍へ増えますが、新たに上乗せできるのは貸主からの報酬のみです。
まだ市場に出ていない空き家を流通させることを考えた場合に、賃料設定のための物件調査業務など、通常の賃貸仲介では発生しない貸主側の業務が増えることをカバーするためです。

(*) 居住用建物の場合は「依頼者の一方から1カ月分の借賃×0.55の金額以内」になります。(依頼者の承諾を得ている場合は除きます)。

7月までは宅建業者の引き受け渋りがあるかも

7月からの報酬上限額引き上げを見越して、宅建業者側は仲介契約の締結時期を先送りにするかもしれません。
これからも、空き家を巡る制度の動向に気を配る必要がありますね。

(参考)国土交通省:「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の一部改正案に関する意見募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155240307&Mode=0

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