【要約】意識を失った際、どのような治療を受けたいか、あるいは受けたくないかを記す「リビング・ウィル(事前指示書/尊厳死宣言)」。本人の尊厳を守り、家族に「辛い決断」をさせないための準備と、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の考え方を深掘りします。「延命治療」の有無を自分で決める不治の病で回復の見込みがないとき、人工呼吸器の装着や胃ろうによる栄養補給を望むかどうか。これは非常にデリケートな問題です。もし本人の意思が不明だと、医師は法的・倫理的リスクから、可能な限りの延命措置を行わざるを得ない場合があります。また、家族は「生かしてあげたい」という願いと「苦しませたくない」という思いの間で激しく葛藤します。あらかじめ意思を表示しておくことは、自分だけでなく、家族を守ることでもあるのです。「尊厳死宣言公正証書」の活用自分の意思に法的、あるいは客観的な証明力を持たせる方法として、公証役場で「尊厳死宣言公正証書」を作成する方法があります。これには「過剰な延命治療を拒否する」「痛みを和らげる緩和ケアを希望する」といった内容を盛り込みます。100%の強制力があるわけではありませんが、医療現場では本人の意思を尊重する有力な判断材料となり、家族も納得して医療チームと対話できるようになります。ACP(人生会議)というプロセス意思表示は一度書いたら終わりではありません。健康状態や心境の変化に合わせて、何度でも見直してよいものです。このように、将来の医療やケアについて繰り返し家族や医師と話し合うプロセスをACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)と呼びます。行政書士は、その対話の結果を、法的に不備のない形(公正証書や付言事項など)で残すサポートをします。最期まで自分自身の尊厳を保つために、勇気を持って一歩踏み出してみませんか。